遺品整理で有価証券が出てきた場合の取扱方法について
故人の遺品を整理している最中に、家族が知らない有価証券が出てくることは珍しくありません。ここでは有価証券が出てきた場合に行わなければならない手続きについてご説明します。
投資や資産運用が一般的になってきたこともあり、高齢者でも株式投資を行っている人は少なくありません。しかし一緒に暮らしていた家族でも、故人が保有していた有価証券を全て把握しきれていないことは多いようです。
離れて暮らしていた場合は何を持っていたか、どこに保管しているかわからないのが普通でしょう。遺品整理中に証券会社からの通知を見つけて、株式を保有していたことに気づくケースもあるようです。
業者の作業中に発見された場合は依頼者に確認が入りますが、念のため親族だけで探す時間を作った方が良いかもしれません。取引していた証券会社などが判明した後、相続人から取引残高報告書の発行を依頼しましょう。
株式の場合は故人の名義のままで売却することができないため、一度相続人に移管する必要があります。売却や名義変更の際には、共同相続人同意書や印鑑証明書、戸籍謄本などの提出を求められます。
故人が会社経営者などで自社株を保有していた場合は、まず会社関係者への連絡が必要です。事業を引き継ぐにしても清算するにしても、煩雑な法的手続きや税務処理があります。
顧問弁護士や税理士がいるのであれば、相続人を代表として相談してみるのが一番です。素人だけで処理しようとすると税金の申告漏れなど、様々なトラブルの原因にもなります。
早めに相談し、適切な処理や手続き方法を指示してもらった方が、間違いがありません。遺品整理業者が偶然に有価証券を見つけることもあれば、逆に有価証券の捜索を依頼することもできます。
あるはずの書類が見当たらない時など、重点的に書類を探してもらうことも可能です。遺品整理の経験が豊富な業者は、大事なものをしまいそうな場所を見つけることにも慣れています。
荷物の片づけと同時に書類探しを依頼すれば、大事な書類をうっかり捨ててしまうこともなく安心です。業者に見積もり依頼をする際、書類を重点的に探してほしいと伝えておくようにしましょう。
整理の一環でもあるため別料金になることはないでしょうが、念のため見積もりを取った際に確認しておくと良いでしょう。
有価証券は資産的価値のあるものだけに、扱いには十分な注意が必要です。自分だけで判断せず、他の親族や弁護士、税理士などに相談してみましょう。